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乳房炎を減らそう(第3回)

今回はミルカーの装着にとても大切なオキシトシンについて書いてみたいと思います。
オキシトシンとは乳汁の排出にかかわるホルモンで、このオキシトシンの作用を上手に利用すれば、 より多くの乳を牛に負担をかけずに搾ることができます。

乳汁排出の仕組み

左の図は@の乳頭刺激により、乳汁が出るまでの仕組みを示したものです。 この図からも、前搾り、乳頭清拭による刺激が大切なことがわかります。

@の乳頭刺激から乳汁が実際に出てくるまでどのくらいの時間がかかるのでしょう。 そしてどのくらいの時間オキシトシンは効いているのでしょうか。

オキシトシン量

右のグラフを見ると前搾りから1分たった頃からオキシトシンの量が急に増え始めているのがわかります。 また、前搾りから6分でオキシトシンの分泌が止まっています。

だから前搾りをしたら、1分くらいでミルカーを装着して、5分くらい搾乳したらミルカーを外してやるとオキシトシンをうまく利用して多くの乳を搾ることができることになります。 オキシトシンの出ていない時にミルカーを着けていても、乳があまり搾れないだけでなく、乳頭に負担がかかります。オキシトシンを上手に使って、乳頭にやさしい搾乳をお願いします。