家畜診療所情報
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乳房炎を減らそう(第2回)

第1回の「前搾り」の大切さについては分かっていただけましたか。出来るだけ多くの方が始めてくれるといいなぁ、と思っています。 何か質問などあれば診療所の方に連絡してください。では今回は前搾りの次の手順である「乳頭清拭」についてです。 (診療所情報の「乳房炎について」も併せてご覧下さい)

【1】乳頭を清拭する目的は・・・
1.乳頭の刺激。
2.汚れや乳頭に付着している細菌数を減らすこと。
【2】乳頭清拭の方法
消毒液に浸した1頭1枚のタオルで乳頭のみを清拭する。

乳頭清拭の方法 注意点など
1.1頭1枚以上のタオルを用意する。 ペーパータオルでも可。
2.消毒液に浸し、よく絞って使用する。 水分は細菌感染の敵です。細菌は自力では移動できません。水分を介して移動します。 搾乳作業から極力余分な水分を排除することが大切です。
3.乳頭のみ約30秒かけて丁寧に清拭する。 特に乳頭口部分を念入りに拭く。乳房まで拭くと余分な水分が残ります。泌乳は乳頭の刺激によって起こるのであって、 乳房マッサージによって起こるのではありません。
4.乳頭を完全に乾燥させる。 乳頭がぬれたままライナーを装着するとライナースリップを起こし、真空圧が変動します。 真空圧が変動すると乳頭口に負担がかかったり、乳頭口へ牛乳が逆流したりします。
(この時、乳頭の表面に残っている水分が、細菌と一緒に乳頭口から乳房に侵入してしまいます。 これが搾乳中に細菌感染を起こす一番の原因です。)
5.ミルカーの装着 前搾りからミルカーの装着まで約1分〜1分30秒で行うのが目安です。